テ~↑ テレレ↑レレレレレ~↓ テ~レレ~レ テ~レ レレレ~♪
今回の記事タイトルに合わせて、『男はつらいよ』のテーマ曲のイントロから記事を書き始めてみました。
『男はつらいよ』ご存じですか?ご存じない方は、ぜひ下の動画でテーマ曲を聞いてみてください。
私は全く世代ではないのですが、親がよくBSでの再放送を観ているので、たまに一緒に観ています。
さて、今回の自己紹介記事の内容は、タイトルの通り、私のセクシャリティ(性的指向)についてです。
わたし、アロマ・アセクです
HP内のカウンセラー紹介のところにも書いていますが、私は現在、アロマンティック・アセクシャル(以下、アロマ・アセク)を自認しています。
レズビアン・ゲイ・バイ辺りは聞いたことあるけど、アロマ・アセクって何???と思われる方が多いのではないかと思いますので、簡単に説明しますね。
アロマンティックとは、他者に”恋愛感情”を抱かないセクシャリティのことです。
アセクシャルとは、他者に”性的欲求”を抱かないセクシャリティのことです。
つまり、私は「他者に恋愛感情も性的欲求も抱かない」ということです。
日本ですと、恋愛感情・性的欲求ともに抱かない人を”アセクシャル”、恋愛感情は抱くが性的欲求を抱かない人を”ノンセクシャル”とする独自ルールもあるようですが、私はあまり馴染みが無いので、ここではアロマ・アセク表記とします。
私がアロマ・アセクを自認したのは、20歳か21歳の頃。今から7~8年前です。
どういう経緯でこの言葉に出会ったのかはすっかり忘れたのですが、周りの友人のように他人に対してときめいたり、ロマンティックな時間を過ごしたいという感情が湧いたりしないことに対する不安があり、ネットで調べて見つけたんだと思います。
アロマ・アセクという言葉に出会う直前くらいの私は、とにかく「モテたいモテたい!!!」と周りに言っていました。
それは何故かと言うと「誰かが私を好きだと言ってくれれば、きっと私もその人のことを好きになれる。とにかく皆のように誰かと付き合って、早く”普通”になりたい!!!!」という気持ちがあったからでした。
そんな”普通”でない人間は私だけだろうと思っていたので、セクシャリティとして名前がついてカテゴライズされるくらいには、何人もの人が持っている特徴なのだと知って、「私だけじゃないんだ」とホッとしたのを覚えています。
ちなみに、アセクシャルは100人に1人くらいの割合で居るとのことです。
ひとりじゃないって、それだけで救われますよね。
アロマ・アセク、なかなか生きづれぇ!
当事者の方ならきっとわかってくださると思うのですが、まだまだ恋愛至上主義が強めのこの社会では、アロマ・アセクはまぁ~なかなかに生きづらいです。
私は嘘をつくということがとっっっっても苦手なので、恋愛の話題を振られると馬鹿正直に「恋愛がよくわからなくて」とか「好きな人ができなくて」と言います。
そうすると、相手からは「人として大事な何かが欠けている」「理想が高いんじゃない?」「試しに誰かと付き合ってみたら?」「まだ好きになれる人に出会ってないだけ」と返ってきます。
こういう返し、アロマ・アセクの方はよく経験することだそうです。
「人として大事な何かが欠けてる」は人格否定ですし、「まだ好きになれる人に出会ってないだけ」は、その可能性がゼロであることの証明は死ぬまでできないので、ちょっと納得してしまいそうになるという厄介さがあります。実際、その可能性はゼロでないので。
恋愛感情・性的欲求が”無い”ことの証明はとても難しいので、アロマ・アセクははっきりと自認すること自体も難しく、そういった点では他のセクシャルマイノリティよりも不安になりやすいのではないかな?と思います。また、恋愛しない分パートナーを得る機会も少ないので、結婚・出産・老後のことなども不安になりやすいかなと思います。
私は実際不安なので、「恋愛はともかく、信頼しあえる家族になれる人は居ないかしら~」と、これからのライフプランについて最近よく考えています。
こんな私も、アロマ・アセク?
アロマ・アセクは、以下のような誤解を受けがちです。
・性欲そのものが全くない
・ずっと一人で過ごしていても平気
・恋愛 / 結婚 / 出産したいという気持ち自体がない
・他者や動物への愛情もない
しかし、当事者である私が断言します。この条件に当てはまらないアロマ・アセクは居ます!ここに!
もちろん、上記の条件に当てはまるアロマ・アセクの方もいらっしゃいます。しかし、私自身、他者に向かないだけで性欲はありますし、一人は好きですが、あまりにもずっと一人で居ると病みそうになりますし、恋愛や人生のパートナーを得ることへの憧れはあります。
去年亡くなった愛犬のことも大好きでした。
ただ、他者に恋愛感情・性的欲求を抱かないだけなのです。
ですので、「私は恋愛への憧れや性欲があるから、アロマ・アセクじゃないや……」と自認をためらっている方は、ドンドコ自認していただいて大丈夫です。
もちろん、無理に自分をカテゴライズ・ラベリングする必要はありませんが、世の中の大多数とは異なる自分の特徴に名前がつくことで気持ちが楽になる部分はありますし、自分と近い感覚の人たちの意見や生き方について調べやすくなる便利さがあります。
関連書籍・動画など
私が自認した頃はアロマ・アセクはほぼ認知度ゼロだったんじゃないかな?という感じでしたが、『恋せぬふたり』というNHKドラマの題材になったこともあり、「恋愛しない人も居るんだね~」という感じで、多少世間の認知度は上がったのではないかと思います。ありがとうございます、NHK様。
これからも受信料払います。ただ、もう少し安くなると嬉しいです。
上記のドラマだけではなく、最近はアロマ・アセク関連の作品なども増えてきたので、私が実際に観たり読んだりしたものをご紹介します。
『見えない性的指向 アセクシュアルのすべて』
タイトルにはアセクシャルしか含まれていませんが、中身を読んでみると、アロマンティックやほかのアセクシャルスペクトラム(デミロマンティック/デミセクシャル、グレイロマンティック/グレイセクシャルなど)についても記載があるので、既に自認している方も、アロマ・アセク寄りかも?と考えている方も、読んで損は無い一冊ではないかなと思います。
当事者としては、実際に経験したことや悩んでいることについて沢山書かれていて、ずっと「あるある~!」と頷きながら読んでいました。当事者として共感できる部分や勉強になる部分があまりにも多く、マーカーとポストイットだらけになりました(笑)
『きみのせかいに恋はない』
一人の女子大生が、アロマ・アセク自認の大学教授に出会い、自分自身を受け入れるようになるまでのお話です。若干教科書的ではあるものの、漫画なので読みやすく、アロマ・アセクについて知るには良い一冊かと思います。
他のセクマイの子達と親交を深める様子がほのぼのとして可愛く、ニコニコしちゃいます。
『恋せぬふたり』
アロマ・アセクの男女2人が恋愛抜きに家族になることを目指していく、NHK制作のドラマです。
30分×8話なので、きゅっとコンパクトで観やすいと思います。
内容がかなりリアルで、当事者として心ない言葉をかけられてきた方は、当時の辛い気持ちを思い出して苦しくなる可能性もありますので、ご注意ください。私はそれが辛くて号泣しました(笑)
しかし、なかけんさんというアロマ・アセク当事者として活動されている方が関わっていらっしゃるだけあって、とても真摯に作られた作品だと思うので、トラウマ再現に耐えられそうな方はぜひ!
NHKオンデマンドやU-NEXTで観られるようです。
NHKオンデマンド
https://www.nhk-ondemand.jp/program/P202100273900000/
U-NEXT
https://video.unext.jp/title/SID0065859
『モノクロセクマイCH』
共同生活をしている同性愛者のシロさんとアセクシャルのクロさんのyoutubeチャンネルです。
このチャンネルを見つけたとき、「アセクシャル当事者のチャンネルがあるとは!!!」と衝撃を受けました。
発信されている内容も、当事者として共感する内容ばかりです。コメント欄も当事者の方が多いので、当事者同士で焚火を囲んでいる気持ちになります。
アセクシャルのコミュニティも運営されているようなので、そちらも是非。
『無敵の未来大作戦』
いままで紹介した4つに比べるとかなりアロマ・アセク要素は少なめな作品なのですが、アロマ・アセク当事者である私が心地よい読後感を得た作品なので、紹介します。
かなりぶっ飛んだギャグ漫画なのですが、少子化・女性差別・同性愛・性加害など、ありとあらゆる社会問題を盛り込んだ、隠れ社会派作品です。
笑いながら救われる稀有な漫画なので、ぜひ読んでみてください。
いま、悩んでいる人へ
ここまで長々と私自身のセクシャリティであるアロマンティック・アセクシャルについて書いてきました。
なぜ、自分のセクシャリティについてこんなにさらけ出して書いたかというと、いまセクシャリティのことで悩んでいる人に「同じように悩んだり、辛い思いをしてきた人間がここに居るよ!!!」ということを伝えたかったからです。
セクシャリティの悩みは、「変だって思われたらどうしよう」「嫌なことを言われたら、傷つくな」と身構えてしまい、身近な人にもなかなか相談しにくい内容なのではないかなと思います。
また、別のことで誰かに相談事をしたいけど、セクシャリティについて明かす必要がある相談内容の場合、セクシャルマイノリティについて知識や理解がある相手でないと話しにくいと思います。特にアロマ・アセクはまだ認知度も低く、相談しても理解してもらえないことも多々あるはずです。
一人で悩まず、ぜひsukimaruでお話してみてください。
当事者としてのお悩みが無くても、セクマイ・アロマアセク当事者に話を聞いてみたい!という方も、大歓迎です!
sukimaruでお待ちしています。野間口でした。